2021年12月13日月曜日

奈良公園の晩秋

 




奈良公園は東大寺 春日大社 興福寺 猿沢の池あたり一帯を指す 近鉄奈良駅を出ると若草山が見える 鹿のお出迎えもある 若草山は三つの山が重なっているように見えるので三笠山とも呼ばれる
奈良の名物はなんといっても鹿と大仏である 落語に鹿政談という噺がある マクラで奈良の名物として「大仏に 鹿の巻筆 霰(霰)酒 春日灯篭 町の早起き」ということが出てくる 最後の町の「早起き」は鹿と関係がある 鹿は朝が早い だから町の人も朝早く起きて鹿の動向をみる 万一家の前で鹿が死んでいたら大変なことになる 落語は豆腐屋の店先で鹿がおからを食べているのを主人が見て鹿を叩いた 鹿が死んだ そこで大騒ぎになるという噺だ お裁きが行われる 最後は犬と鹿を間違えたということになる 豆腐屋の主人に向って裁判長は「そちは豆腐屋じゃな きらずにやるぞ」豆腐屋「はいマメで帰ります」でオチになる きらずはおからのこと 豆は豆腐の原材料 桂米朝さんが演じると素晴らしい噺になる

いつもは東大寺の南大門から大仏殿 二月堂 若草山から春日大社に回る 今日は逆回りに挑戦 春日大社は768年藤原氏の氏神として祀られた 東大寺は752年に聖武天皇が建立 だからいずれも平城京の時代に出来たものだ 春日大社には数え切れなほどの灯篭がある これが節分とお盆には火が入るから壮観である 春日万灯篭という 春日大社を出るとすぐ若草山が迫ってくる 342メートル 全部芝 屋島より高い 1月には山焼きがある 隣の二月堂は3月1日からのお水取りで有名だ これが終わると春が来る 大仏殿 南大門を通って帰路につく
中学時代の修学旅行で東大寺のお坊さんがガイドをしてくれた 南大門は大した門ではありません 皆がキョトンとしていると お坊さん さあみんなでこの門のことをゆっくり言いましょう「なーんだーい もん」か でしょう「ふつうのもん」です。
鹿は餌を探しに寄ってくる 小学生の鹿せんべいに数頭が集まり争奪戦をくりひろげていた 小学生は「もうない」「もうない」と言って逃げ回っているのが面白い

2021年12月4日土曜日

奈良の紅葉も素晴らしい



奈良 平城京跡の近くに不退寺がある 平安京に遷都された後に譲位後の平城天皇の家を平城京跡の北東部に建てたのが萱葺の御殿 通称「萱の御所」と呼ばれている 天皇の子の阿保親王と孫の在原業平が受け継いだ 阿保親王の没後業平自身が聖観音像を造立し祀ったのが不退寺の創建 今はひっそりとして訪れる人も少ない ここは別名「業平寺」とも言われている 観音像は業平の作と伝えられる 業平の絵も所蔵されている 業平は歌人としても有名 なかでも法隆寺の近くに流れる龍田川の紅葉を詠んだ「ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは」は超有名 落語にも出てくる噺だ                             

平城京ができたのは710年 「なんと」と覚える 元明天皇が律令制にもとづいた政治をおこなう中心地としてそれまでの都だった藤原京から遷都し新しい大規模な都をつくった 平城京のモデルとしたのはその頃もっとも文化の進んでいた唐(中国)の長安という都 しかし74年間だけでこの後長岡京に都を移した その後794年に平安京に「なくよ」と覚える
現在は敷地の中を近鉄電車が走っている 朱雀門と大極殿が新しく復元されている 近鉄電車の西大寺と新大宮の間だ 奈良と言えば東大寺や春日大社に目が行く 東に東大寺 西に西大寺があった 今は西大寺は東塔跡のみが残っている この平城京跡も良いところであるが見どころが少ないのが残念 法華寺 海龍王寺 不退寺くらいか ガイドブックを見ると航空自衛隊が北にある 幹部候補生が学んでいる 一度足を延ばしたいと思う 昔々はここから若草山 大仏殿が近くに見えていたと思う 眺めは抜群 もう一度訪ねたいところだ